渡嘉敷のシーサー

石獅子

豊見城市渡嘉敷集落、渡嘉敷集落センターの広場隅にコンクリート製の台座に鎮座している石獅子です。 渡嘉敷集落センター までたどり着くことができれば、広場の角に緑色のサイン棒がありますので、すぐに発見できると思います。

石獅子はかなり劣化しており、目、鼻の形はよくわかりません。口の部分は刻み込まれているので口であることが分かる状態です。

頭上にも穴があいています。

石獅子の傍には、岩の塊が数個置かれています。また、すぐとなりに豊見城市教育委員会が建てた説明文が設置されています。

渡嘉敷のシーサーの案内文

字渡嘉敷のシーサー

集落に置かれるシーサーは、ムラの守り神として、外から入ってくる様々な邪気を跳ね返すために据えられ、その災厄をもたらすとされる対象【丘陵や森、ガマ(洞窟)など】に向け建てられていることが多い。字渡嘉敷に位置しているこのシーサーは、集落の南側にそびえ立つ保栄茂グスク(西御嶽付近の大岩)に向けて立てられたのだという。

保栄茂グスクふきんにある多い我が、大きく口を開けて「渡嘉敷クワークワー(渡嘉敷集落を食おう)」としているように見えるので、その返しの魔除けとして立てられたと伝えられている。また、村に火事が多かったのでその火返しの魔除けとして建てられたという伝承もある。

渡嘉敷のシーサーは、戦前から近年まで集落の中心を通り市道123号線沿いにあった。通常、石獅子は集落を外の災厄から守るために設置されるので、集落の中心部にあることは珍しい。しかし、渡嘉敷に住み始めた草分けの家々(門中のムートゥーヤー)の配置を考えると、石獅子があった場所は、南西方向の村はずれであったことが分かる。それが時代を経て家々が増えてきたことによって、集落の中心に位置するようになったと考察される。現在は集落の南東側、公民館横のウマイー(馬場)に移動し、移設後も変わらず保栄茂グスクに向かって立ち、集落に災が入ってこないよう鎮座している。

現在でも正月や旧暦5月に門中単位でシーサーへ拝みが行なわれ、字渡嘉敷の方々に大切にされている。

渡嘉敷のシーサーの場所

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