豊見城市名嘉地集落、集落内の十字路の脇にコンクリート製の台座の上で鎮座している石獅子です。
多少の劣化は見られるものの、保存状態もよく、丸い目、大きな鼻の穴がくっきりした鼻、少し開いた口のお顔がはっきりと確認できます。
說明文が記載された案内板も設置されています。それによると、その昔は別の所に設置されていたようです。
この場所、集落内の細い道路沿いですが、交通量がかなりあるので、車に気をつけながら見学する必要があります。
名嘉地の石獅子の説明文
集落に置かれるシーサーは、ムラの守り神として、外から入ってくる様々な邪気を跳ね返すために据えられ、その災厄をもたらすとされる対象【丘陵や森、ガマ(洞窟)など】に向け立てられていることが多い。
名嘉地のシーサーは集落の西側に位置しており、県道231号線(通称糸満街道)から集落へ入る入り口に鎮座し、集落の外側に向いている。災厄をもたらすとされる対象については明確ではないが、集落入り口に位置していることから、外からやって来る様々な邪気を集落に入れないよう設置されたと推測される。古くから名嘉地の守り神とされ、現在でも旧暦8月15日にムラの安全祈願をする「シーサー拝み」や旧4月の「アブシバレー」で拝まれ、字名嘉地の方々に信仰の対象として大切にされている。このシーサーの建造年はわかっていないが、クィンジャームイ、キラギ付近、っ現在地と集落の場所が移り変わる中、明治期には集落北端にあるシーシヌメーと呼ばれる広場にすでにシーサーがあったと具体的な伝承が残されている。シーシヌメーは、現在の集落北端であり、クィンジャームイの南端でも有る。その後にシーサーが現在地に写った経緯としては、明治期になって集落西側に幹線道路(現県道231号線)が通ることになったことに合わせて、字の常会においてシーサーの移設を決定し、現在に至ったと伝えられている。
ここも現在も車が行き交う交通量の多い場所であり、そこにシーサーが鎮座することで交通安全に一役買っている。これからもシーサーは字名嘉地の守り神として、地域の安全を見守っている。
豊見城市教育委員会
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