豊見城市真玉橋集落、国道329号線、那覇東バイパスの歩道の脇に、西の方を向いて鎮座しています。
石獅子が鎮座している一角はフェンスで囲まれており、詳しい説明が記載された石碑が隣に立っています。
石獅子は、保管状態もよく、お顔もはっきりしています。昭和の時代頃に赤瓦の屋根の上にいた、漆喰のシーサーによくにていると感じました。
真玉橋のイリヌシーサーの説明文
集落に置かれるシーサー(石獅子)はムラの守り神として、外から入ってくる様々な邪気を跳ね返すために据えられ、その災厄をもたらすとされる対象【山丘や森、ガマ(洞窟)など】に向け建てられることが多い。字真玉橋には、2体のシーサーが集落内の別々の場所に置かれている。
豊見城市教育委員会
このシーサーは、地元では「イリヌシーサー」と呼ばれ、集落西側に位置し、かつては漫湖に浮かんでいたガーナー森(むい)に向けて立てられたのだという。
昔、ガーナー森は大きな魔物で、真玉橋の人を食べようと夜な夜な襲ってきた。村人が困っていた所、天から3つの大きな石が降ってきて、魔物の尻尾を押さえつけたため、魔物はそのまま動けなくなり湖面に浮かぶ小島・ガーター森になったという。村人たちは神の加護に感謝し、以後ガーナー森が襲いかかってこないよう、シーサーを置いたと伝えられている。
もう1体のシーサーは、「アガリヌーサー」と呼ばれ、集落のほぼ中心部、生活道のわきに置かれている。このシーサーは、国場川を隔てた対岸の高台・カラヤームイ(または瓦屋原:那覇市国場)に向け置かれたものと伝えられ、一説には、カラヤームイからの風難を防ぐための守りであるとの由来が残されているが、こんにちカラヤームイの位置する北側ではなく、東側を向いていることについてはよくわかっていない。
イリヌシーサーは、戦前までイリグムイ(用水池)の傍に置かれていたが、戦後は位置の変遷があり、現在は国道329号那覇東バイパス脇の道路沿いに据えられている。ガーナー森はすっかり陸地になってしまったが、イリヌシーサーは今でも西の方角の魔除けとして集落を守っている。
現在、字真玉橋では「シーシウガミ」と称して、旧8月15日にはアガリ、イリの両シーサーに果物や饅頭を供え地域の災いを防ぎ住民の健康祈願を行っている。
真玉橋のイリヌシーサーの場所
すぐ近くに、真玉橋のアガリヌシーサーも鎮座しています。
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